エアコン修理の詐欺、自分から呼んでもクーリングオフできる?

自分から呼んだ修理でも クーリング・オフはできるのか

エアコンガイド編集事務局


エアコンの修理でだまされたと感じたとき、先に確かめる価値があるのは「詐欺かどうか」ではなく「その契約を解ける入口が残っているか」です。自分で呼んだ修理だから無理だろう、と決めてしまう前に、確かめられることがあります。

この記事でわかること
  • 自分で呼んだ修理でも、扱いが分かれる境目
  • 8日を数え始める日と、まだ始まっていない場合
  • 作業が終わったあと、払ったあとにも残っている手
  • 支払いを求められた場面で、その場で何と言えるか
  • 相談の窓口へ持っていくものと、控えの残し方

この記事が扱うのは、家庭用の壁掛けエアコンで契約が成立してしまったあとの話です。これから修理を頼む段階の方は、作業が始まる前に確かめることをまとめた記事のほうが役に立ちます。

根拠にしたのは、消費者庁と国民生活センターのページをエアコンガイド編集事務局が2026年8月に直接開いて読み取った記載です。ほかのまとめ記事や事業者の解説は出典にしていません。

目次

クーリング・オフの対象から外れるのは、あらかじめ契約するつもりで呼んだ場合です

自分から電話をかけて呼んだ場合でも、契約をするつもりがあったかどうかで扱いが変わります。消費者庁の特定商取引法ガイドにあるQ&Aを2026年8月に確認したところ、対象から外れる範囲は狭く限定されていました。ここで扱うのは、自宅に来た事業者と結んだ契約が訪問販売に当たる場合です。

よく見かけるのは「自分から呼んだ修理は原則として対象外」という説明です。ただ、そこで対象から外されているのは「呼んだ人」ではなく「契約の締結を請求した人」。ここでの請求は、お金を請求されることではなく、こちらから契約を申し込むという意味です。

消費者庁が挙げているのは、自宅で契約したいとはっきり伝えていた場合です

消費者庁の特定商取引法ガイドは、この「請求した者」について次のように書いています。

購入者が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居において当該契約の申込み又は締結を行いたい旨の明確な意思表示をした場合が該当します

言い換えると、電話をかけた時点ですでに契約するつもりがあり、自宅で契約したいとはっきり伝えていた場合です。「見に来てほしい」「いくらか教えてほしい」で呼んだ段階は、これとは別に扱われます。

例として挙がっているのは、鍵の修理で表示額と請求額に開きがあった場合です

このQ&Aが例に挙げているのは鍵の修理とロードサービスで、エアコン修理そのものの事例は載っていません。

チラシの表示額を見て鍵の修理を頼んだところ、作業員から特殊な作業が必要だと言われ、代金が跳ね上がった——この設問への回答が、次の部分です。

設問の事例では、チラシの表示額と実際の請求額に相当な開きがあることから、消費者は、当初修理依頼をした段階では、安価なチラシの表示額で契約を締結する程度の意思しか有しておらず、実際に請求された高額な請求額で契約を締結する意思は有していなかったことは明らかです

続けて、明確な意思表示をしたといえないのであれば「請求した者」とはいえず、対象から外れることにはならないと考えられる、と書かれています。分かれ目になっているのは呼んだ手段ではなく、最初に見ていた表示額と、最後に出された請求額がどれだけ離れているか。ここが「相当な開き」に見えるなら、まだ話は終わっていません。

請求額そのものの読み方は、「出張料込み」に何が含まれるかで扱っています。

自宅にあるものの修理なら鍵の例と同じ解釈になる、と注記されています

同じQ&Aには、ネット広告の表示を見て電話し、出先で高額な請求を受けた事例も載っています。こちらは自宅ではないため結論が変わるのですが、回答の末尾に注記があります。文中のQ2は、先ほどの鍵の設問です。

※消費者の自宅に駐車していた自動車について事業者に修理を依頼したような場合は、Q2と同様の解釈になります。

エアコンは自宅に取り付けられています。したがって、ネット広告の表示額を見て電話をかけた場合でも、鍵の設問と同じ読み方が及ぶ範囲に入ります。見ていた広告のページが残っているなら、消してしまう前にスクリーンショットで保存しておいてください。

そもそも、こちらから呼んですらいない場合もあります。点検や交換を持ちかけてきたのが向こうからだったのなら、あらかじめ契約するつもりを持って呼んだ人には当たりません。

ただしこのQ&Aは、想定される事例における考え方を示したものだと消費者庁自身が断っており、個別の事案はその事実に即して扱われます。だから確かめるのは、いつ・どんな言い方で呼んだかという入口のほうです。


解約を伝えられる8日は、手元の書面を受け取った日から始まります

この8日は、修理を頼んだときに事業者から受け取る書面を1日目として数えます。国民生活センターの住宅修理についてのよくある質問にも「書面の受領日を1日目として、8日以内」と書かれており、起点になるのは作業日でも支払日でもなく、その書面です。

そこで見落とされやすいのが、その紙が今どうなっているかです。まず手元とメールを探すところから始めます。

解約についての説明は、赤枠の中に赤字で書く決まりがあります

消費者庁の特定商取引法ガイドによれば、事業者が渡す書面には書式そのものの決まりがあります。書面をよく読むべきことを赤枠の中に赤字で記載すること、クーリング・オフの事項についても赤枠の中に赤字で記載すること、字と数字の大きさは8ポイント以上であること。

手元の紙を広げて、赤い枠と赤い字が見当たらないなら、そこは控えておく意味があります。国民生活センターの案内には、書面の記載内容に不備があるときは8日を過ぎていてもクーリング・オフできる場合がある、と書かれているためです。

不備に当たるかどうかは、ここで結論を出さずに消費生活センターで確かめる部分です。書面の全体を写真に撮って残しておきます。

書面を受け取っていなければ、8日はまだ始まっていません

8日は書面を受け取った日から数えるので、受け取っていなければまだ数え始めていないことになります。作業から何週間経っていても、この点は動きません。

もっとも、紙をもらっていないから対象外だ、と自分で結論を出す前に確かめる先があります。国民生活センターの住宅修理についてのよくある質問には、この書面は消費者の承諾があれば電磁的方法(電子メールなど)で提供される場合があります、と書かれています。作業の前後に契約内容がメールで届いていたなら、それが書面に当たることもあります。

書面が見当たらないことは、受け取っていない側の事情として窓口に伝える材料です。メールの受信箱と事業者とのやり取りを、日付順にさかのぼってみてください。


クーリング・オフが通れば、作業が終わっていても代金を払う必要はありません

クーリング・オフが通れば、作業が終わったあとでもその代金を支払う必要はないと、消費者庁の特定商取引法ガイドに書かれています。作業ぶんの代金も、開けられたエアコンを元に戻す費用も、事業者の側の負担とされています。

クーリング・オフが通れば、分解されたエアコンも無償で元に戻してもらえます

消費者庁の特定商取引法ガイドは、クーリング・オフを行った場合の扱いをまとめて書いています。作業がすでに終わっている場合でもその代金を支払う必要がないこと、損害賠償や違約金を支払う必要もないこと。そして、土地や建物その他の工作物の状態が変えられている場合には、無償で元に戻してもらうことができる、と続きます。

ここでいう工作物とは、建物やそこに取り付けられているもののことです。壁に固定され、配管で外の機械とつながっているエアコンについても、内部を開けられた状態や部品を外された状態がここに当たらないか、窓口で確かめます。

国民生活センターの住宅修理についてのよくある質問にも、商品の引き取りや原状回復は事業者の責任で行うことになっている、と書かれています。交換したと言われた部品については、部品の名前を告げられたら何を聞き返すかにまとめています。

支払ったお金は速やかに返す、と決められています

もう払ってしまった場合も、話はそこで終わりません。消費者庁のガイドには、すでに頭金などを支払っている場合には速やかにその金額を返してもらう、と書かれています。

エアコン修理について国民生活センターが公開しているよくある質問は、まだ払っていない側だけを扱っています。払ったあとの返金が書かれているのは、住宅修理についてのよくある質問のほうです。エアコンのページを探しても出てこないのは、そのためです。

その住宅修理についてのよくある質問には、施工済み工事代金についても支払う必要はありません、と書かれています。原状回復に要する費用についても支払う必要はありません、と続きます。

どこまで戻るのかは、契約の中身と支払いの記録で変わります。領収書、カードの明細、振込の控え。日付と支払先が読める形で1か所にまとめておいてください。


支払いを断るときは、後日納得した金額で払う意思があると伝えます

公的な資料を並べて読むと、その場での支払いを断るところまではどれも同じです。ただ、国民生活センターのよくある質問は、断ったあとに何と言うかまで書いています。

広告に記載された金額と差があるなど、請求額に納得できない場合、その場での支払いはきっぱり断り、後日納得した金額で支払う意思があることを伝えましょう。

まだ支払いを求められている最中なら、この言い方をそのまま伝えてください。

解約の通知は、はがきでもメールでも自分で出せます

国民生活センターの案内には、クーリング・オフの通知は自分で行うことができます、と書かれています。方法ははがきのほか、電子メールや事業者のウェブサイトの専用フォームも挙げられています。手元の書面の日付が8日の中にあるなら、窓口の判断を待たずに通知を出しておくこともできます。

大事なのは控えです。はがきなら送る前に両面をコピー。特定記録郵便や簡易書留など発信の記録が残る方法で、代表者あてに送ります。メールや専用フォームなら、送信後の画面をスクリーンショットで保存します。

クレジット契約をしているなら、販売会社とクレジット会社の両方に通知します。書き方の記載例は、同じ国民生活センターのページにあります。

窓口へ持っていくのは、書面と広告の画面、支払いとやり取りの記録です

お住まいの地域の消費生活センターへは、契約の経緯が形で残っているものを持っていきます。

持っていくもの
  • 受け取った書面:作業前の紙も含め、赤枠・赤字が分かる状態で
  • 見ていた広告の画面:表示額が読めるスクリーンショット
  • 支払いの記録:領収書、カードや振込の明細
  • やり取りの記録:電話の日時、メールやメッセージ

送付の記録や関係書類は少なくとも5年間保管してください、と国民生活センターは案内しています。


よくある質問

業者に「うちは対象外です」と言われました。もうできませんか。

事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたり、脅したりして、消費者が誤認・困惑してしなかった場合には、8日を過ぎてもできる、と消費者庁の特定商取引法ガイドにあります。言われた内容だけで期間が延びるわけではありません。そのときの言い方と日付を控えて、消費生活センターに相談してください。

はがきを出しましたが、業者は届いていないと言っています。

特定商取引法では、クーリング・オフの通知は発した時に効力が生じるとされています。相手に届いたかどうかで決まる仕組みではありません。発信の記録が残る方法で送るよう案内されているのは、そのためです。

契約書に「キャンセルはできません」と書いてありました。

契約の書面にそう書かれていても、その部分は効かないとされています。特定商取引法では、クーリング・オフの決まりに反して頼んだ側に不利な定めは無効とされているためです。書かれている箇所を写真に撮り、書面そのものと一緒に消費生活センターへ持っていってください。

これは詐欺にあたりますか。警察に届けたほうがいいですか。

詐欺に当たるかどうかは相手の意図まで踏み込んで扱われるので、手元の書類だけでは決まりません。先に確かめられるのは、その契約を解ける入口が残っているかどうかです。呼んだときのいきさつ、受け取った書面、支払いの記録は今日のうちに揃います。

修理してもらったのに直っていません。返してもらえますか。

直っていないことと、契約そのものを解けるかどうかは別の筋の話です。作業の中身についての話し合いは事業者との間で続きますが、契約の入口に無理があった場合は、そちらから解ける可能性があります。

直っていない状態が続いているなら、いま結んでいる契約をどうするかとは別に、エアコンそのものをもう一度見てもらう先が要ります。前の作業の良し悪しを評価してもらう場ではありませんが、いまエアコンがどういう状態なのかは、別の業者でも見てもらえます。

エアホームはエアコンの修理を専門に扱う窓口で、問い合わせフォームから症状を伝えるところから始まります。取り付けや取り外しだけの依頼は扱っていないため、故障の相談が入口になります。

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たどる順番は、呼び方・書面・支払いの3つです

まず、どうやって呼んだか。「見に来てほしい」で呼んだ段階と、あらかじめ契約するつもりで呼んだ場合は、消費者庁のQ&Aでは別に扱われています。表示額と請求額に相当な開きがあるなら、自分で結論を出さずに窓口で確かめてください。

次に、書面。8日は受け取った日から数えるので、受け取っていなければまだ始まっていません。赤枠と赤字の記載があるかどうかも、いま手元の紙を広げて見ておきます。

最後に、支払い。作業が終わっていても、もう払ったあとでも、公的な資料は払う必要がない・速やかに返す、と書いています。

対象にならないと分かった場合も、次に頼むときの探し方は変えられます。修理業者の会社概要に載っている登録番号の見方は、会社概要で見る3つの記載で扱っています。

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