エアコンガイド編集事務局
「ガスを入れれば直ります」と言われたら、先に確かめるのは、漏れた場所をどうするかが話に入っているかどうかです。エアコンの効きが落ちてガスを疑っている方も、業者から説明を受けた方も、見るところは同じです。
- ガスを入れる前に必要だと公式に書かれている作業
- 見積りを見たときに、ガス漏れのときだけ確かめる1点
- 市販の漏れ止め剤を1つ開いて確かめた対応ガスの表示
- 一度入れてもらった後、2回目を頼むときに伝えること
金額、買い替えるかどうか、メーカー保証は、この記事では扱わず、それぞれの記事へ渡します。
業界団体・メーカー・製品の公式ページは、エアコンガイド編集事務局が2026年8月14日に開いて確かめました。扱うのは家庭用の壁掛けエアコンです。
「ガスを入れれば直る」と言われたら、入れる前の作業を確かめる
ガス(冷媒)を足す作業と、漏れた場所をふさぐ作業は、別々のものです。「ガスを入れれば直ります」という説明は、前者だけを指していることがあります。
エアコンのガスは、配管の中をぐるぐる回り続けるように作られています。量が足りないなら、どこかから外へ出ているという話になり、入れた分も同じ場所から出ていきます。
いま受けている説明が「入れる」で完結しているのか、「探して、ふさいで、入れる」まで含んでいるのか。ここを聞いておきます。
富士通ゼネラルは、取り付けと移設に「ガスを入れる前に必ず真空引きを」と書いている
富士通ゼネラルの公式のよくあるご質問には、「エアコン設置の際、配管後、冷媒ガスを入れる前に必ず真空引きをしてください」と書かれています。移設についても「移設の場合も真空引きが必要です」とあります。
真空引きについては、「真空ポンプを使って、配管と室内ユニット内部のパイプをできるだけ真空にする作業です」という説明が同じページにあります。ガスを入れる前に、配管の中の空気を抜いておく作業のことです。
この記載は取り付けと移設についてのもので、確認できたのも富士通ゼネラル1社です。それでも、「ガスを入れる」という言葉が、ボンベをつないで入れるだけの一動作を指しているわけではないことは読み取れます。明細に何と書かれているかは、次の章の聞き方と一緒に確かめます。
漏れているかどうかは、自分では確かめられない
ガスが足りているかどうかを、家庭にある道具で確かめる方法はありません。効きが落ちた原因がガスなのかどうかも、外から見て分けるのは難しいところです。ここは道具を持っている業者の作業です。
効きが落ちたときに自分でできる範囲は、エアコンが冷えない原因に別途まとめています。設定温度を16℃にして確かめる方法など、道具を使わずにできることはそちらにあります。
暖房中に室外機が白くなるのを見てガス漏れを疑う方もいますが、暖房のときに付く霜は正常な動きであることが多いです(室外機の不調)。
ガス漏れの見積りで確かめるのは、どこから漏れているかの1点
ガス漏れの見積りで確かめたいのは、どこから漏れているかについての記載が1行でもあるかどうかです。見積書を渡されたとき、合計金額の欄以外をじっくり見たことがあるでしょうか。金額そのものの読み方はエアコン修理の費用で扱っているので、ここでは金額の手前にある作業の中身を見ます。
聞くのは「何を見て、漏れていると判断したか」
そのまま口に出せる形にすると、「何を見て、漏れていると判断されましたか」になります。訪問中でも、電話で説明を受けているときでも、同じ言い方で通じます。
続けて、その場所を今回どう扱うのかを聞きます。ふさぐのか、部材を替えるのか、それとも今回は入れるだけなのか。見積りの金額が何に対する金額なのかは、この答えとセットで受け取ります。
同じことを見積書の側から探すなら、明細に「真空引き」という語が出ているかどうかです。書かれていなくても作業に含まれていないとは限らないので、何が含まれているのかを聞くきっかけとして使います。
補充だけを頼むこともできる。ただし何を選んだかは分かっておく
「今シーズンはとりあえず入れて、様子を見ましょう」と提案されることもあります。頭ごなしに断る必要はありません。
ただ、それは漏れた場所を残したまま使う選び方なので、修理というより先延ばしにあたります。夏を越すためにあえてそれを選ぶこともあれば、今回で終わりにしたいから場所を探してもらうこともあります。どちらを選んだかを自分で分かっていれば、次に効きが落ちたときの話が前回の続きから始まります。
修理として頼むときの流れは、エアコン修理の進め方にまとめてあります。
聞くことが決まったら、同じ質問をもう1社にもしてみます。補充だけの見積りを受け取ったなら、漏れた場所の扱いまで入った見積りを、別のところからも取ります。金額を聞いてから断っても構いません。
エアホームはエアコンの修理を専門に扱うサービスで、フォームから症状を伝えて見積りを依頼できます。対応する地域は公式に一覧の掲載がないため、住所が対象かどうかも、症状と一緒にこのフォームで伝えて確かめます。
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エアコントラブルセンターは、全国2000社の加盟店から近い業者を紹介する仕組みです。住まいの地域で受けてくれるところを探すときは、1社目にした質問をそのまま伝えて、返ってくる説明を見比べます。
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市販のガス漏れ止め剤を1つ開くと、対応ガス欄には R134a と書かれていた
家庭用エアコンのガスは R410A と R32 です。一方、今回開いた漏れ止め剤の商品ページでは、対応ガス欄が R134a になっていました(いずれも2026年8月14日確認)。室外機に書かれている名前と、製品の対応ガス欄の名前が同じでなければ、その製品はご自宅の1台に向けて作られたものではありません。
ホームセンターや通販で漏れ止め剤を見かけて、これで止まらないかと考えた方もいると思います。
エアコンメーカーが集まる業界団体の日本冷凍空調工業会は、家庭用エアコンに使うガスについて、R410A と R32 を挙げて「これらの冷媒を家庭用エアコンの冷媒として採用しています」と説明しています。
一方、この分野で広く流通している製品のひとつ、Dr.Leak LL-DR1 を取り扱う通販サイトの商品ページを開くと、仕様の欄は「対応ガス:R134a」でした。説明文にあるのは「カーエアコンならではの信頼性や経済性」で、家庭用エアコンやルームエアコンに使えるという記載は、このページにはありません。対象として書かれているのは車のエアコンです。
エアコンガイド編集事務局が確かめたのは、製品ページに何が書かれているかまでです。家庭用向けの表示を持つ製品がどこかに存在する可能性まで否定できるものではありませんし、この製品が危険だという話でもありません。
- 採取日:2026年8月14日
- 確認方法:各ページを開き、文章をそのまま書き写して確認
- 日本冷凍空調工業会:3ページ
- 製品の商品ページ(取り扱い通販サイト):1ページ
室外機を見れば、自分の1台に入っているガスの名前が分かる
同じ日本冷凍空調工業会の別のページには、「室外機の目につきやすいところに冷媒名を表示してあります」と書かれています。この「冷媒名」がガスの名前で、自分の家のエアコンに何が入っているかは、室外機を見に行けば分かります。
買うかどうかを迷っている段階なら、まず室外機の表示を見て、R410A なのか R32 なのかを控えます。
ほかのガスが入らないように、室外機の口の径が変えてある
家庭用の機種では、ほかのガスを誤って入れないように、ガスをつなぐ口の大きさが機種ごとに変えてあります。日本冷凍空調工業会の施工上のポイントに「R410AおよびR32機種は他冷媒の誤封入防止のため、室外ユニット操作弁のサービスポート径を変更」とあります。
同じ資料には「一部の配管部材および据付・サービス用工具類が専用となります」という記載もあります。つなぐ側の道具が機種ごとに分かれているので、缶をつないで入れれば済む、という作業ではありません。
自分で止めるか業者に頼むかを決める前に、室外機の表示を見て、ガスの名前を控えてください。店頭でも通販でも、製品の「対応ガス」の欄と見比べます。
検索で出てくるガス漏れの情報には、家庭用ではないものが混ざっている
2026年8月14日に「エアコン 修理 ガス 漏れ」で検索して、出てきたページを順に開いたところ、家庭のエアコンの話ではないものが上のほうに混ざっていました。業務用エアコンを扱う会社の記事が上位にあり、そこに載っている費用も、点検の決まりごとも、対象は業務用の機器です。業務用の機器にかかる点検の義務は、家庭用エアコンにはかかりません(家庭用と業務用で扱いがどう違うかはエアコン修理業者の選び方でも触れています)。
メーカー側の公式ページにも当たりました。よくあるご質問や、ガスのしくみを説明したページを、1社につき1ページ、合計5ページです。そのうち1ページは技術サポートではなく生活情報の記事で、そこには「通常漏れることはありません」という一文がありました。
一方で、家庭用のガスが減るものなのかどうかを正面から説明したページは、今回開いた5ページの中には見当たりませんでした。検索して上に出てくるのは、業務用向けの記事や、車のエアコン向けの製品情報です。
「業務用」「定期点検」という語が出てきたら、自分の話ではない
開いたページに「業務用」「天井埋め込み」「定期点検」といった語が出てきたら、家庭の壁掛けエアコンの話からは離れています。金額も作業の中身も、そのまま自分の見積りと比べられるものではありません。
車のエアコンについても同じ構造です。さきほどの漏れ止め剤の話と同じで、対応ガスの欄が違えば、対象になっている機械が違います。
次に別のページを開くときは、書き出しの数行に「業務用」か「車」が出てこないかを見てから読み進めてください。
補充のあと2回目を頼むときは、前回の作業内容を先に伝える
一度ガスを入れてもらった後にまた効きが落ちたときは、次に頼む相手へ前回の内容を先に伝えます。伝えるのは、いつ入れてもらったか、そのとき漏れている場所の話が出ていたかどうかです。
前回の見積書や作業の伝票が残っていれば、それをそのまま見せるのがいちばん早いところです。残っていなければ、「前回は入れてもらっただけで、場所を探す話は出ませんでした」と口で伝える形でかまいません。
そのうえで、今回は漏れている場所をどう扱うかまで含めた見積りにしてほしい、と先に言っておきます。先に挙げた聞き方を、2回目の電話でもそのまま使います。
同じところに頼むか、別のところにも声をかけるかは、その答えを聞いてから決めます。電話口で言うなら、こうなります。
「前にガスを入れてもらったのですが、また効かなくなりました。漏れている場所を探すところからお願いできますか」
エアコンのガス漏れについてよくある質問
- 取り付けたばかりなのに漏れています。工事のせいですか?
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取り付け工事が原因かどうかは、その場で決まるものではありません。先に思い出しておきたいのは、取り付けたのがいつか、そのとき工事をしたのはどこか(販売店か、工事会社か、メーカーか)です。設置したところと修理を頼むところが違うと、話が二重になります。連絡先を決めてから、漏れている場所を探す依頼をします。
- 「漏れている場所が見つからない」と言われました。このまま入れてもらってもいいですか?
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見つからなかったと言われたら、何を見て漏れていると判断したのか、どこまで探したのかを聞いておきます。見つからなかったという結果も、次に頼むときの出発点になります。そのうえで入れるだけを選ぶなら、それは修理ではなく先延ばしの選択です。分かって選ぶ分には、それも選び方のひとつです。
- ガス漏れはメーカー保証で直せますか?
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保証で対応できるかどうかは、購入からの期間と、どこが原因かによって変わります。範囲はメーカー修理の頼み方にまとめてあるので、保証書と購入日が分かるものを手元に用意してから、そちらを確かめてください。
- 賃貸で借りている部屋のエアコンです。誰に連絡すればいいですか?
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借りている部屋に最初から付いていたエアコンなら、先に管理会社か大家さんへ連絡します。自分で業者を手配してから連絡すると、話が戻ることがあります。進め方は賃貸のエアコンが壊れたときにまとめています。
まとめ:ガス漏れと言われたら「どこから漏れているか」を先に確かめる
ガス漏れと言われたときに先に確かめるのは、どこから漏れているかについての話が入っているかどうかです。見積りにその記載がなければ、「何を見て、漏れていると判断されましたか」と聞くところから始めます。続けて、その場所を今回どう扱うのかまで聞きます。その見積りが修理なのか、今回は先延ばしなのかは、この答えを聞いてから決めます。
市販の漏れ止め剤を考えているなら、買う前に室外機の表示を見てください。自分の1台のガスの名前と、製品の対応ガスの欄を見比べます。
一度入れてもらったことがあるなら、次に頼むときは前回の内容を先に伝えます。
直す値打ちがあるかどうかで迷ったときは修理と買い替えを、修理を頼むときの流れ全体はエアコン修理の進め方をあわせてご覧ください。
