エアコンガイド編集事務局
使っているエアコンが今年の夏を越せそうかどうかは、メーカー名ではなく、自分の1台の変化と使ってきた年数から見当がつきます。この記事では故障が多い会社の順位を出さず、手元の1台について今日確かめられることを渡します。
- 壊れる前の変化に、去年の同じ時期との差から気づく見方
- 故障が多い会社の順位を、公表資料から作れない理由
- 自分の型番がリコール・無償点検の対象かを調べる3つの手順
- 本体に書かれた「設計上の標準使用期間」が何の年数か
- 使ってきた年数によって、先に見る場所を選べる
対象は、家庭用の壁掛けエアコンです。10年前後お使いの方も、買って数年で不調が出た方も、確かめるのは分解や電気の部分に触れない範囲だけです。
年数と制度の裏づけは、エアコンガイド編集事務局が経済産業省・内閣府・製品評価技術基盤機構(NITE)の公表資料を直接開いて集めました。リコール情報の探し方も、実際に画面をたどっています。修理や買い替えの金額は、この記事では扱いません。
エアコンが壊れる前のサインは、去年との差に出ます
去年の今ごろと、同じように冷えていましたか。壊れる前の変化は、音の大きさや効き具合そのものより、去年との差にはっきり出ます。去年の記憶と並べてみてください。
- 冷え始めるまでの時間
- 運転中の音
- 止まり方
思い出せなくてもかまいません。その場合は、いまの状態をメモに残しておいて、来年の同じ時期に見比べる側にまわります。すでに症状が出たあとは、冷え方が落ちたのか水がしたたるのかで見る場所が違うので、この記事では壊れる前の変化のほうを扱います。
音は大きさではなく「去年は鳴っていたか」で見ます
音がしたら壊れる前兆、と受け止められがちですが、手がかりになるのは音の大きさではなく「去年は鳴っていたか」のほうです。
運転を始めた直後や止まり際だけ鳴る音は、去年も同じように鳴っていたのなら、いまの状態を知る材料にはなりません。一方、去年は無かった異音が運転中ずっと続くようになったのなら、それが差です。
カバーを開けて音の出どころを探す必要はありません。いつから、どの運転のときに鳴るかを控えておけば、頼むときにそのまま伝えられます。
ただし、焦げたにおいがする、煙が出た、ブレーカーが何度も落ちる。この場合は前兆を見る話ではなく、運転を止めて電源プラグを抜く場面です。そのあとの動き方は焦げたにおいがしたときにまずやることにまとめています。
点検を頼んだあとに部品の名前を告げられたら、その部品が何をしているかは部品ごとの働きと替わる単位で確かめられます。
電源が入りにくい日が増えたら、それは変化です
リモコンを押しても反応しない日が1日あっただけなら、多くの人は気に留めません。気になるのは、その日が去年より増えているときです。運転が始まるまでに間が空くのも同じで、反応しなかった日付と、その日の気温、どの運転で起きたかを残しておくと、頼むときに「いつから」を伝えられます。
一方、暖房の立ち上がりに時間がかかること自体は、外の気温が低い日ほど起こります。去年の冬も同じだったなら、この項目は差として数えません。
すでに水がしたたっている場合は水がしたたるときの見分け方を、ランプが点滅して止まっている場合は点滅した回数の控え方を先に見てください。
去年と比べるには、夏になる前に一度動かしておく必要があります
製品の事故情報を集めている国の機関、NITEは、暑くなる前の試運転を毎年呼びかけています。去年との差を見るにも同じ順番が要り、暑くなってから初めてスイッチを入れるのでは間に合いません。
冷房で30分ほど動かして、冷たい風が出るか、去年は無かった音が出ていないか、水がしたたっていないかを見ます。フィルターの詰まり具合と、室外機の前の置き物も、あわせて目で確かめます。
フィルターは外して見るところまでにして、フィルターの外し方と道具と掃除の間隔はそれぞれ別に扱っています。室外機側は室外機の不調です。
どこの製品が壊れやすいかは、公表されている数字では比べられません
メーカーごとの故障率を公表した公的な統計は、確認できませんでした。率を出すには壊れた台数と動いている台数の両方が要りますが、公表されているのは事故の件数だけで、各社が何台売り、いま何台が動いているかは公表されていません。件数だけを並べれば、多く売れているメーカーほど数が大きく出ます。
数えた対象も、資料によって違います。エアコンだけを数えたものと、ほかの製品と合わせて数えたものが混ざるため、本記事では件数そのものも載せていません。
代わりに、自分の1台については型番から引ける情報があります。どこを見て調べたのかを、先に書いておきます。
- 確認日:2026年8月12日
- 当たった先:経済産業省・内閣府・NITEの公表資料
- 探したもの:メーカーごとの故障率
- 使わなかったもの:出所の書かれていない故障率の数値
| 調べたこと | 見た資料 | 調べた結果 |
|---|---|---|
| どこの製品が壊れやすいか | 公的機関の公表資料 | 比べられない |
| 事故が起きた件数 | NITE 製品事故情報 | 件数は分かる(率にはできない) |
| 自分の型番が対象になっていないか | NITE SAFE-Lite/各社公式のお知らせ | 型番ごとに分かる |
検索すると故障率を数字で示した記事も見つかりますが、何を分母に置いた数字かが書かれていないものが多く、本記事ではどれも使っていません。ほかで数字を見かけたときは、何を分母にした数字かを探してみてください。分母が書かれていなければ、それは率ではありません。
リコールと無償点検は、自分の型番から3ステップで確かめられます
自分の1台について確かめられるのは、型番がリコールや無償点検の対象になっていないかどうかです。対象になっていれば、メーカーが無償の点検や部品交換を案内しています。
順位を調べても自分の1台が対象かどうかは分かりませんが、型番の照会なら自分の1台についての答えが返ります。かかる時間は、どのステップも数分です。
型番は、前面のパネルを持ち上げた内側や、本体の側面に貼られたシールに書かれています。詳しい型番の控え方は別に扱っています。シールが色あせて読めないときは、購入時の保証書や納品書を見てください。同じ型番が載っています。
NITEは、リコールと事故の情報を「SAFE-Lite」という検索ページに一元化しています。一覧の形での提供は終了しているので、検索して探します。開いたら、画面左上のタブを「事故情報」から「リコール情報」へ切り替えてください。初期表示は事故情報のままです。フリーワード欄に「エアコン」と入れて検索すると、26件が並びます(2026年8月12日に操作を確認)。
一覧には整理番号・リコール実施日・品名・型式等・事業者名が出ます。対象は型式(機種名)の単位で決まっているので、シリーズ名ではなく型式まで見比べてください。
SAFE-Liteに出てこない無償点検や部品交換の案内は、各社の公式サイトに載ります。社名で検索して公式サイトを開き、「お知らせ」「重要なお知らせ」の欄に自分の型番が挙がっていないかを見ます。
対象が見つかった場合は、SAFE-Liteの詳細画面に対処方法と受付窓口の電話番号まで書かれています。保証で無償になる範囲を知りたいときは保証で0円になる条件と、部品を持つ期間へ進んでください。この2つで見つからなければ、次に見るのは使ってきた年数です。
買って5年と10年で、先に見る場所が違います
エアコンの「10年」がどこから来た数字かをたどると、行き着いたのは寿命の統計ではなく、本体に年数を表示させる決まりでした。使ってきた年数ごとに、先に見る場所を並べます。
| 使ってきた年数 | 先に見る場所 |
|---|---|
| 〜5年 | 型番がリコール・無償点検の対象になっていないか |
| 6〜9年 | 去年の同じ時期と比べて、冷え方と音がどう違うか |
| 10年以上 | 本体に書かれている「設計上の標準使用期間」の表示 |
修理と買い替えのどちらに寄せるかは、年数だけでは決まりません。金額と組み合わせて引く使用年数と見積り額の線は、別の記事で扱っています。
本体に書かれた「設計上の標準使用期間」は、法律にもとづく表示です
本体と取扱説明書に書かれている「設計上の標準使用期間」は、消費生活用製品安全法にもとづく長期使用製品安全表示制度による表示です。エアコンはこの制度の対象で、本体には製造年・設計上の標準使用期間・注意喚起文の3つが並びます。
標準的な使い方をした場合に、経年劣化による事故が起きにくいと見込める期間として算定された年数で、使える年数の保証ではありません。年数を決めているのは制度ではなく各社です。日本冷凍空調工業会の公表資料によれば、設計上の標準使用期間は各事業者が独自に決めます。何年と書かれているかは製品によって違うので、自分の1台の表示を見てください。製造年も同じ表示に並んでいるので、何年目かはそこで数えられます。
同じ年数でも、部品が手に入る期間は別の数字です。そちらは部品を持つ期間で扱っています。
買い替えた世帯が実際に使った年数は、平均14.2年です
買い替えた世帯が、買い替える前に使っていた年数は平均14.2年でした。内閣府の消費動向調査、令和7(2025)年3月調査が公表している、ルームエアコンの平均使用年数です。
この数字には、原典に「買替えをした世帯のみを分母として算出」という注記が付いています。いま使い続けている人は数えられていません。寿命が何年かを調べたときに出てくる数字はこの種のもので、本体の表示とは数えているものが違います。
検索すると13年台の数字も出てきます。回によって値が動く調査だからです。どの回の調査かが書かれていない数字は、何年前のものか分かりません。年数を自分で調べるときは、調査の実施年月まで見てください。
去年との差がはっきり出ていた場合や、本体の表示より長く使ってきた場合は、動いているうちに見てもらうという頼み方もあります。まだ何も変わっていないなら、ここは飛ばして大丈夫です。
エアコントラブルセンターは、家に来るのが加盟店のスタッフだと公式サイトに書いている窓口です。受付をする会社と当日に工具を持って来る会社が別だという意味で、10社を同じ項目で並べた一覧でも同じように読めます。見てもらった結果が「まだ使えます」で終わった場合も、訪問と見積もりの料金は取らないと明記されています(2026年8月7日に確認)。
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エアコンの故障についてよくある質問
- エアコンで故障が多いメーカーはどこですか?
-
メーカーごとの故障率は公表されている数字では比べられないため、順位は出していません。順位の代わりに使えるのが、自分の型番がリコールや無償点検の対象かどうかを調べる手順です。対象なら、メーカーが無償の点検や部品交換を案内しています。
- エアコンの故障は何が原因で起きることが多いですか?
-
原因は症状ごとに違い、最初に見る場所も変わります。冷え方が落ちたのか、水がしたたるのか、ランプが点滅しているのか、室外機が止まっているのかで、確かめる順番が変わるためです。水がしたたる場合は水がしたたるときに先に見る場所を、ランプが点滅している場合は点滅とエラーコードの見方を、修理を頼んだあとの費用の内訳は修理費の内訳を見てください。
- 買って5年で調子が悪いのは早すぎませんか?
-
買って5年での不調は、まず型番がリコールや無償点検の対象になっていないかを確かめる場面です。フィルターの詰まりや設置場所で効きに差が出ることはありますが、それだけで原因が決まるわけではありません。借りている部屋のエアコンなら、借りている部屋のエアコンが動かないときもあわせて見てください。
- つけっぱなしにすると壊れやすくなりますか?
-
つけっぱなしそのものが故障につながるかどうかは、公的な資料で数字が示されていません。はっきりしているのは、フィルターが詰まったまま動かすと効きに響くことです。長く動かす季節ほど、途中で一度フィルターを見ておいてください。
- 落雷や停電のあとに様子がおかしいのですが、故障ですか?
-
落雷や停電のあとは、まずリモコンの設定が消えていないか、ブレーカーが落ちていないかを見ます。復帰させても動かない、動いても去年と違う音がする場合は、落雷や停電があった日時を控えたうえで相談してください。いつ何が起きたあとに変わったのかを伝えられると、確かめる場所を絞り込めます。落雷で壊れた場合の火災保険は保険証券の4つの欄にまとめています。
- 「設計上の標準使用期間」を過ぎたら使えなくなりますか?
-
「設計上の標準使用期間」は、過ぎた時点で使えなくなる年数ではありません。標準的な使い方で経年劣化による事故が起きにくいと見込める期間として、本体に表示されているものです。過ぎたあとは、去年との差を毎年見ておく年数として使ってください。
壊れる前の今日、できることは3つです
壊れてから調べ始めるより、動いているうちに確かめたほうが、選べる幅が残ります。今日のうちに手をつけられるのは次のところです。
- 去年の同じ時期と比べて、冷え方と音がどう違うか
- 自分の型番がリコール・無償点検の対象かどうかを調べる
- 本体の表示で、何年目の1台かを確かめる
このうち1つでかまいません。いちばん早く終わるのは、型番を控えて照らす2つ目です。買い替えのほうに気持ちが傾いたときは、買い替えに傾いたときの総額を先に見てください。
壊れてから探すと、比べる時間はほとんど残りません。今日の3つに「頼み先を1つ見ておく」を足しておくと、動かなくなった日にやることが1つ減ります。
電気の工事屋さんは、対応する都道府県を会社概要に県名で42件挙げている窓口です。受付から作業までを同じ会社が担うという意味の「完全自社施工」も明記され、申し込みフォームには「お見積り0円」と表示されています(2026年8月7日に確認)。47都道府県すべてではないので、リンクを開いたら、まず一覧に自分の県が入っているかを見てください。入っていなければ、頼み先の選び方から探せます。
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